

社債とは
社債は企業が資金調達のために発行する債権です。発行時に購入代金を得る替わりに満期になると額面金額を払い戻すことになります。社債は額面金額、利率、満期までの年数が設定されています。社債の発行には額面金額以上で発行する打歩発行、額面金額通りの平価発行、額面金額以下での割引発行の3通りあります。通常は割引発行されることが多いです。企業側はできる限り低利で発行したいのですが、それだと旨みが少なく買ってもらえないというわけで割引発行します。
仕訳は、発行の処理→利息の支払いと差額の償却→償還、という流れでやっていきます。
発行と発行差額
額面総額10,000,000の社債を、利率8%、期間5年、発行価額は額面金額100につき95、という条件で割引発行したとします。また発行に証券会社への手数料など300,000の経費がかかったとすると、発行時の仕訳はこうなります。
(借) 当 座 預 金 9,500,000 (貸) 社 債 9,500,000
(借) 社 債 発 行 費 300,000 (貸) 当座預金 300,000
企業は資金を得る替わりに社債という負債を背負います。社債発行費は全額費用処理して終りでもいいですが、新株発行費のように繰延資産として計上することもできます。
期間中の処理
発行後は毎年、発行差額の費用化と利息を支払いを行います。発行差額は満期になるまでに均等額以上を社債利息として費用化し、その分社債を増加させ、額面総額に近づけていきます。前は発行差額を社債発行差金として繰延資産にできましたが、平成19年度に廃止されました。利息は半年ごとに支払うので年利の半額を支払います。社債発行費は3年以内、満期まで3年無い場合は満期までに均等額以上償却していきます。以下の社債発行差金償却は社債利息でも構いません。
(借) 社 債 利 息 100,000 (貸) 社 債 100,000
(借) 社 債 利 息 400,000 (貸) 当 座 預 金 400,000
(借) 社債発行費償却 100,000 (貸) 社 債 発 行 費 100,000
決算日の翌日に発行した場合はこれでいいですが、ずれている場合は最後に利息を支払った日の翌日から決算日までに対応する分を見越計上します。例えばずれが3ヶ月なら年利の4分の1となります。
(借) 社債利息 金額 (貸) 未払社債利息 金額
償還
社債の償還方法には普通に満期に償還する満期償還とそれまでに市場で購入して償還する買入償還があります。
決算日が3月31日の企業が平成25年4月1日に額面総額10,000,000、利率8%、満期まで5年、という条件で社債を額面100につき97の価額で発行したとします。これを全て満期に償還するとこうなります。
(借) 社 債 10,000,000 (貸) 当座預金 10,000,000
(借) 社債利息 400,000 (貸) 当座預金 400,000
(借) 社債利息 60,000 (貸) 社 債 60,000
社債という負債が消滅するので貸方へ記入、発行差額の費用化は、(10,000,000−10,000,000×97÷100)÷5、で60,000、利息は、10,000,000×0.08÷2、で400,000となります。
次は買入償還する場合です。上記の社債の6割を平成28年10月1日に5,950,000で買入償還するとこうなります。
(借) 社 債 5,946,000 (貸) 当座預金 5,950,000
(借) 社債償還損 4,000
買入償還と同時に償還分に対応する発行差額を臨時に費用化します。社債の帳簿価額は3年間発行差額の6万を加えてきたので、988万です。償還分はこの6割の592.8万です。一方、未費用化額はこの時点の額面と帳簿価額の差額120,000です。満期まで2年の内の半年経過しているので、4分の1の30,000が対応分、この6割の18,000が臨時費用化額となります。すると償還分の現在価額は592.8万+1.8万で594.6万となります。
次に借貸の差額を計算し、借方に発生すれば償還損、貸方なら償還益となります。額面より臨時費用化額以上安く買い入れれば償還益、そうでないなら償還損となります。
買い入れ価額は日々変動する市場価格に左右されます。しかし満期償還は常に額面通りの支出になるので償還損益は発生しません。
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