フェスティバル 有価証券の評価(1級)強制評価減スクリプト付き-簿記スクリプト


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有価証券の評価

  ここでは改めて各種有価証券の評価方法をやります。主に取得原価と時価の差額の反映法をやります。  
ある有価証券が以下のような値動きをしたとします。これが売買目的有価証券なら取得原価と時価との差額は運用損益や評価損益とします。評価替えするとその評価額が翌期の簿価となります。

1年目末
(借)  売買目的有価証券   400   (貸)  売買目的有価証券運用損益   400

2年目末
(借)  売買目的有価証券運用損益   200   (貸)  売買目的有価証券   200

取得原価1年目末時価2年目末時価
1,0001,4001,200

  満期保有目的債券は償却原価法で処理するので、時価は参照しません。子会社株式や関連会社株式は取得原価が評価額であり続けるため、やはり評価損益は計上しません。

その他有価証券の評価

  その他有価証券は売買目的有価証券、満期保有目的債券、子会社株式、関連会社株式のどれにも属さない債券の総称です。その他有価証券も時価評価を行います。発生した差額は全部資本直入法か部分資本直入法で処理します。全部資本直入法では評価差額全額を、その他有価証券差額金として損益計算書ではなく、貸借対照表の資本の部に計上します。部分資本直入法では評価益を貸借対照表の資本の部、評価損を損益計算書に計上します。また、資本の部に計上された評価差額は税効果会計の対象となります。

取得原価1年目末時価2年目末時価
9001,300800

  以上のような値動きだと1年目末の仕訳はこうなります。実効税率は40%とします。

(借)  その他有価証券   400   (貸)  その他有価証券評価差額金   240
                        (貸)  繰  延  税  金  負  債     160

  翌期になったら正反対の仕訳をして評価差額を取り消します。これは洗い替え法と言います。洗い替え法を適用するため、その他有価証券は取得の翌期以降も取得原価と時価を比べて評価差額を計算します。

(借)  その他有価証券評価差額金   240   (貸)  その他有価証券   400
(借)  繰  延  税  金  負  債     160

  2年目は取得原価の900と時価の800を比べます。100の評価損となりますが、全部資本直入法では、評価差額金として貸借対照表の資本の部の控除項目、部分資本直入法では評価損として費用計上します。

全部資本直入法
(借)  その他有価証券評価差額金    60   (貸)  その他有価証券   100
(借)  繰  延  税  金   資  産   40

部分資本直入法
その他有価証券評価損   100   (貸)  その他有価証券   100

強制評価減

  その他有価証券では毎年、洗い替えを行い、決算日に時価評価した債券を取得価額に振り戻します。また損失は費用とせず、資本の部に計上することもあります。しかし時価が取得時の半分以下など、著しく下落した場合は強制評価減を行います。全部資本直入法で処理していたとしても、時価との差額を当期の評価損として計上します。またそれ以降は強制評価減後の評価額を取得価額として扱い、評価損は翌期になっても振り戻しません。次の決算からは強制評価減後の評価額と時価を比べて評価損益の計上と期首の振り戻しを行います。
  以下の場合だと1年目末は採用方法にかかわらず、800の評価損を計上します。翌期も振り戻さず、2年目末は取得原価ではなく、強制評価減後の評価額と時価との差額である100の評価益を計上します。

市場価格の無い債券の強制評価減

  市場価格の無い債券についても強制評価減を行います。まず行うべきか判断するために保有債券の価額が取得時より50%以上減少しているか計算します。減少していれば、強制評価減を適用します。そのためには現在の保有債券の価額を算定する必要があります。この価額算定は以下のような式で行えます。
計算結果は両方同じですが、問題に保有数が%で表記されているなら1つ目、具体的な保有数なら2つ目が良いす。

現在の発行企業の純資産額×自身の保有割合
現在の発行企業の純資産額÷発行総数×保有数

  対象株式の発行済み総数、自身の保有数、取得価額、発行企業の資産総額、負債総額、なら強制評価減額は7,500となります。



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