フェスティバル 簿記スクリプト 資本会計(1級)


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自己株式

  自己株式とは自社の株式のことです。これも普通の株式のように市場などで購入することができます。購入時の仕訳は普通の株式と同じく、借方に自己株式、貸方に代金決済手段、となります。しかし自己株式購入は株主から預かった資本の払い戻しと言えます。というわけで貸借対照表では、資本の控除項目となります。
  その目的ですが、株式消却というのがあります。これは自己株式を抹消することです。こうすると発行済株式が減少し、配当負担を軽減したり、1株当たりの配当金増加、それによる株価上昇が狙えます。仕訳では借方を自己株式消却額、貸方を自己株式、とします。

新株予約権

  新株予約権とは予め決められた金額を支払うことで、企業から株式を受け取れる権利です。新株予約権の発行価額が500、新株予約権全てが行使された時に発行される株式が総額10,000だと仕訳はこうなります。

  新株予約権付与の対価を現金預金に受け入れたとすれば、借方に現金預金、新株予約権は負債になるので増加時は貸方に記入します。この現金預金は権利行使時に資本になります。

(借)   現金預金    500   (貸)  新株予約権     500

  60%の予約権が行使され、全額を資本金とすることにします。新株予約権という負債が300減少するので借方に記入、発行した株式の代金6,000が払い込まれますので借方に記入、全額を資本金とすると両者の合計額分資本金が増加しますので貸方に記入、というわけで仕訳はこうなります。

(借)   現 金 預 金   6,000   (貸)  資本金   6,500
(借)   新株予約権    300

  新株の代わりに自己株式を渡すこともできます。権利のさらに20%が行使され、帳簿価額2,000の自己株式を放出するとします。この時に貸借差額が発生した場合、自己株式処分差損益とします。

(借)   現 金 預 金   2,000   (貸)  自  己  株  式   2,000
(借)   新株予約権    100   (貸)  自己株式処分差益    100

  残りの20%は権利行使されないまま行使期間が過ぎたとしたら、新株予約権戻入益を計上します。

(借)   新株予約権   100   (貸)  新株予約権戻入益   100

減資

  減資とは増資とは逆に会社の資本金を減少させることです。減資には株主に現金などを交付し、本当に会社財産を減少させる実質的な減資と貸借対照表の資本の部内で金額を移動させるだけの形式的減資があります。ここでは形式的減資のみをやります。形式的減資は損失の穴埋めなどのために行われます。

  資本組入額が1株につき2万円、発行済み株式1000株の企業が未処理損失900万円を穴埋めするために2株を1株に併合するという減資を行うとこうなります。2株を1株に併合すると資本金は半分減少します。余りはその他資本剰余金とします。

(借)  資本金   10,000,000   (貸)  未 処 理 損 失    9,000,000
                       (貸)  その他資本剰余金   1,000,000

  自己株式を購入して消却するという方法もあります。資本組入額が1株につき1万円の企業が未処理損失100万円を穴埋めするために自己株式500株を400万円で買い入れ、消却するという減資を行うとこうなります。400万円分の自己株式購入で資本金が500万円減少すると100万円が相殺されずに余ります。これで損失を補填するわけです。

(借)  資本金   5,000,000     (貸)  自  己  株  式    4,000,000
                       (貸)  その他資本剰余金   1,000,000

(借)  その他資本剰余金   1,000,000   (貸)  未処理損失    1,000,000


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