フェスティバル 分配可能額計算(1級)分配可能額計算スクリプト付き-簿記スクリプト


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分配可能額計算の手順

  分配可能額とは企業外部に流出させても良い財産の限度額のことです。例えば配当金の支払い額は必ずこの枠内でなければなりません。オーバーすると違法配当になってしまいます。計算手順はこうなっています。

1-前回の決算時に作成した貸借対照表のその他利益剰余金(任意積立金等)とその他剰余金を足す

2-その額に前回の決算から現在までに行われた資本取引の金額を加減し、現時点の分配可能剰余金額を求める。

3-現時点の自己株式簿価、前回の決算から現在までに行われた自己株式売却の売却額、評価損である土地や有価証券の評価差額金を差し引く。4-のれん等調整額の金額に応じてさらに控除。

現在の剰余金額計算

  まず現在の剰余金有高を計算します。これが分配可能額の基礎となります。前回の決算時に作成した貸借対照表の、その他利益剰余金、その他資本剰余金を足します。次に自己株式売却損益や減資損益を加減し自己株式消却額と今期すでに支払った配当額を引きます。これで現時点の剰余金額が分かります。
  さらに現時点の剰余金額から今期の自己株式売却の売却額と現時点の自己株式簿価と評価損である土地や有価証券の評価差額金を差し引きます。評価益の場合は控除が無いだけで、プラスすることはできません。

のれん等調整額

  ここからが面倒な所です。現時点の剰余金に資本取引による控除を反映できたら、最後にのれん等調整額の大きさによる控除を行います。
  まず以下の計算でのれん等調整額を求めます。途中で出てくる、のれん計上額÷2、の金額も控えておきます。さらに資本金、利益準備金、資本準備金、を足し合わせます。この金額は資本金等として扱います。

  のれん等調整額=のれん計上額÷2+その他の繰延資産計上額

  ここからは求めたのれん等調整額と様々な資本項目の金額とを比べます。その結果で何の金額を控除するかが決まります。

  のれん等調整額が資本金等の金額と同じかそれ以下なら控除は無し。

  のれん等調整額が資本金等の金額を超えているが、資本金等+その他資本剰余金、は超えていないなら、のれん等調整額が資本金等を超えている金額分だけ控除。

  のれん等調整額が資本金等+その他資本剰余金の金額を超えているが、のれん計上額の半額は超えていないなら、同じくのれん等調整額が資本金等を超えている金額分だけ控除。

  のれんの半額が資本金等+その他資本剰余金の金額を超えているなら、繰延資産+その他資本剰余金を控除します。

例題

 

0前期末資本金 1前期末資本準備金 2前期末利益準備金 3前期末その他資本剰余金 4前期末その他利益剰余金 5前期末の自己株式帳簿価額 6今期、売却した自己株式帳簿価額 7今期の自己株式売却額 8今期の自己株式消却額 9今期の配当額 10○○評価差額金(評価損のみ) 11繰延資産計上額 12のれん計上額

  では、この条件で分配可能額を計算してみます。まず、前期末その他資本剰余金と前期末その他利益剰余金、自己株式売却益(700−500)、を足します。(10,200)
  ここから今期、売却した自己株式の売却額700、現時点の自己株式帳簿価(1,500−500) 、○○評価差額金1000、を引きます。すると7,500となります。ここからのれん等調整額の大きさに基づく控除を行います。

  のれん等調整額は(50,000÷2+2000=27,000)

  これは資本金等(19,000)を超えていますので、控除ゼロではありません。資本金等+その他資本剰余金の19,200も超えています。ということで資本金等+その他資本剰余金19,200、とのれん計上額の半分の25,000を比べます。 のれん計上額の半分の方が大きいので、7,500からその他資本剰余金5,200と繰延資産2,000を引いた300が分配可能額となります。



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