

一般債権
まずは財務体質に問題のない企業に対する債権の貸倒見積もり法です。この区分の債権に何%の引当金を設定すべきかは実績率法で求めます。この方法では実際に過去に発生した貸倒れ額を参考にします。
過去のこの区分の債権の発生量とその債権中貸倒れとなった金額が以下の通りとします。過去3年の実績額の平均で当期発生した債権4,800に設定すべき貸倒引当金の金額を決めると…
3年前 | 2年前 | 1年前 | 当期 |
3,800 (61) | 4,500 (90) | 4,200 (63) | 4,800 (?) |
2年前=90÷4,500×100=2%
1年前=63÷4,200×100=1.5%
平均=1.6%+2%+1.5%=1.7%
ということで当期発生債権に対する設定額は4,800の1.7%である82となります。
弁済に問題のある債権
財務体質が著しく悪化した企業への債権は貸倒懸念債権となります。悪化どころか破産なり倒産、または営業を続けているが、それと同じような状態の企業に対する債権は破産更生債権といいます。
貸倒懸念債権に対する引当金は財務内容評価法かキャッシュフロー見積法で設定します。財務内容評価法は債権額から担保や保証による回収見込み額を控除し、財務内容に応じてさらに一定額を控除して求めます。この方法では今後の現金流入量を当初の契約利子率で割り引いて求めた現在価値と債権価額との差を設定額とします。割り引くには利子率に1を足した値で、1年後の現金流入は1回、2年後の現金流入は2回というように割り、それらの金額を合計します。
5年後に返済、年利4%という条件で10,000を貸し付け。しかし2回目の利払い後に年利を2%に引き下げて欲しいという申し出があり、受託。利率の引き下げ要請をしたということは財務体質が悪化した可能性が高いと判断し、貸倒懸念債権とすることにしました。この場合の設定額は…
2年後=200÷1.04÷1.04=185
3年後=10,200÷1.04÷1.04÷1.04=9,068
現在価値=192+185+9,068=9,445
ということでこの貸付金に対する設定額は、10,000−9,445、で555となります。
破産更生債権は簡単です。債権額から担保や保証による回収見込み額を控除するだけです。債権額が5,000、担保の処分価値が3,000なら、設定額は2,000となります。