
直接標準原価計算差異分析
直接標準原価計算の差異分析をやります。直接原価計算でも標準原価を設定し、予算を組むことができます。実際に発生した原価が予定と異なる場合は、通常の原価計算のように差異分析を行います。また、原価だけでなく、売上高についても差異分析を行い、予定していた利益額と実際の利益額が異なる原因を探ることができます。
まずは、予定上の売上高と実際売高の差異分析から。価格差異は、(実際価格−予定価格)×実際販売量、で36,000の不利差異となります。販売量差異は、(実際販売量−予定販売量)×予定価格、で166,000の有利差異となります。販売量差異はさらに、市場占拠率差異と総需要差異に分解できます。市場占拠率は予定を5%超過しています。どんな規模の市場か求めると、(実際販売量÷実際市場占拠率)、で4,800となります。市場占拠率差異は、4,800×5%×予定価格、で199,200の有利差異となります。市場の総需要は、(実際販売量÷実際市場占拠率)−(予定販売量÷予定市場占拠率)、で想定より200個落ち込んでいます。この市場の縮小を、自社は予定価格と予定市場占拠率で負担します。よって総需要差異は、200×20%×予定価格、で33,200の不利差異となります。これで、売上高差異を構成する差異が出揃いました。分析すると36,000分の値引きでそれ以上に売上高は伸びたが、総需要の落ち込みで33,200足を引っ張られ、最終的な売上増は130,000となったことが分かります。
変動原価価格差異と変動販売費価格差異は、(予定価格−実際価格)×実際販売量、で計算できます。予定より高いため、両方6,000の不利差異となります。変動原価数量差異と変動販売費数量差異は、(予定販売量−実際販売量)×予定価格、で計算できます。予定より販売費数量が伸びているため、83,000と10,000の不利差異となります。ただ、販売費数量が伸びているためですので、この不利差異は価格差異と違って悪いとはいえません。以上4つの差異を合計すると変動費全体では105,000の不利差異となります。差異単位当たりのコスト増と販売費数量が伸びたためのコスト増が合わさった結果です。売上高差異と変動費差異を合計すると貢献利益となり、25,000の有利差異です。変動費が予定以上になったものの、それ以上に売上高が伸びたので、利益も伸びたということです。
固定費差異は、予定価格−実際価格で計算でき、固定原価差異が5,000、固定販管費差異が1,000の不利差異となります。
これで、全ての差異が求められました。総差異は19,000の有利差異。総需要の落ち込みや変動費増に苛まれたものの、値引きによる販売増はそれ以上で、予定より19,000の増益となりました。
経営資本営業利益率差異分析
経営資本営業利益率差異は、投下資本が予定通りの利益を生み出していない場合に発生する差異です。この差異は売上高営業利益率差異と経営資本回転率差異に分解することができます。
まず、経営資本営業利益率差異は、今年の経営資本営業利益率−昨年の経営資本営業利益率、で計算できます。252÷1000−225÷1000、で2.7%の有利差異となります。
売上高営業利益率差異は、(実際売上高営業利益率−予算売上高営業利益率)×実際資本回転率、で計算できます。(252÷800−225÷750)×800÷1000、で1.2%の有利差異となります。
経営資本回転率差異は、(実際資本回転率−予算資本回転率)×予算売上高営業利益率、で計算できます。(800÷1000−750÷1000)×225÷750、で1.5%の有利差異となります。
2つの差異の合計は2.7%となり、経営資本営業利益率差異と一致します。
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