

階梯式配賦法
部門別原価計算の補助部門費配賦法で、2級では直接配賦法と相互配賦法が出てきました。1級では階梯式配賦法と純粋の相互配賦法というのが登場します。まずは、階梯式配賦法から。
この方法では、補助部門に順位を付け、上位から下位の補助部門にのみ配賦します。もちろん、製造部門へは全ての補助部門から配賦されます。例えば、補助部門が3つなら、1位から2位と3位の補助部門と製造部門へ配賦、次に1位から配賦された額を自身の補助部門に含ましてから、3位と製造部門へ配賦します。
順位の付け方ですが、まずは部門費に関わらず、最も多くの補助部門へ配賦している補助部門が1位となります。次の基準が補助部門費の額です。他部門から配賦を受ける前の補助部門費が多いほど上位となります。以下の例だと、2部門へ配賦する工場事務が1位、他の二つは共に1部門ですが、補助部門費の多い動力部門が2位となります。最下位の修繕部門は製造部門へしか、配賦しません。
なので、配賦計算は工場事務からの配賦額は、5000÷(30+30+20+20)×○人、動力部門からは、(8600+1000)÷(2500+2500+1000)×○kW、修繕部門からは上位の2部門へは配賦しないので、(6200+1000+1600)÷(60+50)×○人、で製造部門へのみ配賦します。
なお、動力部門の自家消費は完全に無視します。考慮しても、自身へ配賦した分は他部門へ配賦されますので。
動力部門費が30、2つの製造部門と動力部門が10kWずつ消費していたとすると10ずつ配賦。自身へ配賦された10を、10÷(10+10)×10、で2つの製造部門へ配賦すると、合計15ずつ。無視して30÷(10+10)×10、で配賦した場合と同じ。
純粋の相互配賦法
今までの配賦方法は全て不正確といえます。計算を簡略化するため、補助部門同士の配賦を一部無視しているからです。最も正確なのは、補助部門同士の配賦を全て考慮した計算法です。それが、純粋の相互配賦法となります。純粋の相互配賦法には連続配賦法と連立方程式法という二つの計算法があります。連続配賦法は、補助部門費を配賦したら、他の部門の補助部門費が配賦されてきたので、それをまた配賦して…という計算を全ての補助部門費が0になるまで続ける方法です。しかし、これでは時間がかかり過ぎます。そこで、もう一つの連立方程式法を使います。これは、各補助部門に最終的に集まってくる部門費を未知数とした連立方程式を解き、得られた部門費を配賦する方法です。これで、連続配賦法と同じ結果を得られます。
補助部門1-5000 | 補助部門2-6000 | 補助部門3-7000 |
製造部門1 | 製造部門2 | 補助部門1 | 補助部門2 | 補助部門3 | |
補助部門1 | 50% | 30% | 0% | 20% | 0% |
補助部門2 | 40% | 40% | 10% | 0% | 10% |
補助部門3 | 20% | 20% | 20% | 20% | 20% |
上記の条件で、方程式を立てるとこうなります。補助部門1〜3に最終的に集まる額をa〜cとしています。
a=5000+0.1b+0.2c÷0.8
b=6000+0.2a+0.2c÷0.8
c=7000+0a+0.1b
0.8というのは、1−0.2、で出した自家消費を考慮するためのものです。自家消費してもそれに対応した部門費配賦額はまた他部門へ配賦されます。なので、少数で割って自家消費の分だけ部門費を増やします。さらに、上記の式を改造するとこうなります。
-a+0.1b+0.25c=-5000
-b+0.2a+0.25c=-6000
-c+0.1b=-7000
あとは、中学校で習う連立方程式の加減法で解けます。解けたら、下のスクリプトで解を確認してください。入力してある数字の意味ですが、配賦予定額と自家消費割合はそのままの意味、下の表は、補助部門1なら製造部門1と製造部門2に0.5、0.3配賦。補助部門2からは0.1、補助部門3からは0.2受け取っているという意味です。-1は移項で絶対に生じるものですので、式が3つある限り触る必要はありません。
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