

加工費工程別総合原価計算(平均法)
累加法と同じになる非累加法(平均法)
この方法では、累加法と計算結果を一致させつつ、月末仕掛品と完成品に含まれる各工程の材料費や加工費の額を知ることができます。計算では、第1工程の完成品原価を前工程費としてまとめず、材料費と加工費に分けたまま、第2工程に投入し、月末仕掛品と完成品に配分します。累加法では、第1工程の完成品原価中の、材料費+加工費→前工程費としていたところを、第1工程完成品原価中の材料費→前工程材料費、第1工程完成品原価中の加工費→前工程加工費、と考えていくわけです。
では以下の条件だと各工程の月末仕掛品に含まれる材料費と各工程加工費はいくらになるでしょう?!
通常の非累加法(先入先出法)
通常の非累加法では以下のように月初仕掛品数と月末仕掛品数を合算し、計算します。例えば、第2工程月末仕掛品に含まれる材料費なら、759240÷(750+190-180)×100、で計算できます。注意すべきなのが、第2工程月末仕掛品に含まれる第1工程加工費です。第2工程にある時点で、第1工程の加工費は100%投入済みです。よって、第2工程の進捗率は無視して100個として計算します。第2工程加工費は普通の単純総合原価計算の要領で計算します。
月初仕掛品数 原価180000 | 180 | 当月完成数 | 750 |
当月投入 原価759240 | 760 | 月末仕掛品数 | 190 |
月初仕掛品数 原価97000 | 110 | 当月完成数 | 750 |
当月投入 原価661560 | 745 | 月末仕掛品数 | 105 |
では以下の条件だと各工程の月末仕掛品に含まれる材料費と各工程加工費はいくらになるでしょう?!
度外視法による仕損有りの通常の非累加法(先入先出法)
仕損がある場合は非累加法でも一括計算できません。以下の例では第2工程で仕損が発生していますが、一括計算だと仕損が第1工程の原価にも影響してしまいます。よって月末仕掛品に含まれる材料費を計算する場合、第1工程は通常の非累加法のままでいいです。一方、第2工程では(当期投入原価-第1工程月末仕掛品中材料費)÷(当月投入-1工程月末仕掛品数-仕損数)、と計算します。当期投入原価から第1工程月末仕掛品中材料費を控除した残りを第2工程で配分するという2段階計算をするわけです。当期投入数からは第1工程月末仕掛品中材料費に対応する第1工程月末仕掛品数を控除し、度外視法で両者負担となるので、仕損数だけ当期投入数を削ります。
では以下の条件だと各工程の月末仕掛品に含まれる材料費と各工程加工費はいくらになるでしょう?!