
工場での仕訳
製品の販売を行う本社では商業簿記に基づいた仕訳が行われますが、工場でも仕訳をします。製造に直接材料費、直接労務費、直接経費を100ずつ投じるとこうなります。仕掛品は製造途中の製品で、資産属性です。その仕掛品に投じたモノを集めていきます。
(借) 仕掛品 300 (貸) 材 料 100
(貸) 労務費 100
(貸) 経 費 100
製造に間接材料費、間接労務費、間接経費を100ずつ投じるとこうなります。間接費は一旦、製造間接費としてから仕掛品へ振り替えます。
(借) 製造間接費 300 (貸) 材 料 100
(貸) 労務費 100
(貸) 経 費 100
(借) 仕掛品 300 (貸) 製造間接費 300
完成したら製品に振り替えます。
(借) 製 品 600 (貸) 仕掛品 600
勘定記入
商業簿記では総勘定元帳に記帳しましたが、工業簿記でも工場元帳というのに記帳します。上記の製造活動を仕掛品勘定に記帳するとこうなります。仕掛品は資産ですので、増加要因である原価要素が借方、振り替え先の製品が貸方となります。
仕掛品 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
材 料 | 100 | 製品 | 600 |
労務費 | 100 | | |
経 費 | 100 | | |
製造間接費 | 300 | | |
製品が販売されるまでの流れ
まず材料は仕入れ高に前期繰越を足して引いた分が当期の消費量となります。直接費相当は仕掛品、間接費相当は製造間接費に振り替えます。
労務費、経費は支払額がそのまま原価になるわけではありません。期末未払額は支払っていないだけで。すでに原価として発生しているので、支払額に加えます。月初未払額はこのように前期の原価に加えられているので、今期の原価にならないよう、引いておきます。当期支払額+期末未払額−月初未払額、が当期の原価になるわけです。
製造間接費勘定は費用属性ですので、借方に増加要因である構成要素の費用、貸方に仕掛品となります。
材料 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前期繰越 | 200 | 仕掛品 | 900 |
当期仕入高 | 1000 | 製造間接費 | 200 |
| | 次期繰越 | 100 |
労務費 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
期末未払額 | 100 | 仕掛品 | 500 |
当期支払額 | 800 | 製造間接費 | 200 |
| | 月初未払額 | 200 |
経費 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
期末未払額 | 300 | 仕掛品 | 600 |
当期支払額 | 800 | 製造間接費 | 300 |
| | 月初未払額 | 200 |
製造間接費 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
材 料 | 200 | 仕掛品 | 700 |
労務費 | 200 | | |
経 費 | 300 | | |
仕掛品勘定では今期、集計されてきた原価に前期繰越を足し、次期繰越を引いて完成品の原価を求め、製品に振り替えます。製品勘定では商業簿記の仕入の替わりに完成品の原価を当期製造原価として計上し、期首商品棚卸高+当期仕入高−期末商品棚卸高、の要領で売上原価を求めます。売上高からこれを引いたものが売上総利益となります。
仕掛品 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前期繰越 | 300 | 製 品 | 2900 |
当期総費用 | 2700 | 次期繰越 | 100 |
製品 |
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
期首棚卸高 | 200 | 売上原価 | 2,800 |
当期製造原価 | 2,900 | 期末棚卸高 | 300 |
ただ読んでいればいいのはここまで。次から計算のオンパレードになります…
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