名刺交換にまつわる体験談 簿記スクリプト 簿記と仕訳(3級)

商業簿記基礎

簿記と仕訳

簿記と財務諸表

仕訳帳と総勘定元帳

決算までの流れ

3級商業簿記へ

商業簿記索引工業簿記索引

仕訳とは?!

 簿記の基本は仕訳です。仕訳とは企業、商店などが行なった取引を一定のルールにより、記録することです。ここでいう取引とは、1−資産や負債が増減、収益や費用が発生する、2−それらの大きさを貨幣価値で測定できる、という条件を満たしていなければなりません。例えば売買契約は大きさを貨幣価値で測定できますが、その瞬間に資産や負債が増減するわけではないので、まだ仕訳しません。一方、商品が盗まれたり、天災で破損することを普通は取引とは言いません。しかし資産が減少し、その量を金額で表せるため、簿記では仕訳を行います。

仕訳のルール

 仕訳では取引で増減したものを左右に分けて書きます。この左を"借方(かりかた)"、右を"貸方(かしかた)"と呼びます。現在の形式の簿記を開発したのは15世紀頃のイタリアの商人といわれていますが、資金を自分に貸してくれた相手を右に、自分から借りた相手を左に書いたことが由来です。そして、簿記が日本に入った明治に福沢諭吉が"借方"、"貸方"という日本語訳を考えました。

 仕訳を行うときはまず、増減したものを"現金"などの勘定科目という決まった用語で表すと共に、資産、負債、資本、収益、費用、という5つの属性に分けます。資産は現金、建物、などはもちろん、貸付金などの債権、何かをしてもらえる権利(前払金)も資産となります。負債は借入金などの債務、何らかの契約上の義務(予約金=商品を渡す義務を負う)も債務となります。は資本は商売の元手か資産が負債を超えている金額、純資産とも言えます。

 次に勘定科目と金額を以下の様式で記録します。借方には資産の増加、負債の減少、資本の減少を書き、増減が逆なら貸方へ、費用は借方、収益は貸方と覚えればいいです。



(借)  資産の増加   金額   (貸)  資産の減少   金額
(借)  負債の減少   金額   (貸)  負債の増加   金額
(借)  資本の減少   金額   (貸)  資本の増加   金額
(借)  費用の発生   金額   (貸)  収益の発生   金額

  この時、借貸の合計金額は必ず一致しなければいけません。このルールを利用し、仕訳問題でとある一箇所の金額だけ分からないとき、分かっている範囲内の合計金額を比べて無理矢理求めることができます。

仕訳例

  現金で備品を購入した場合は備品という資産が増え、現金という資産が減ったのでこうなります。簿記では資産の購入は出費ではなく、資産の交換となります。

(借)  備   品   金額   (貸)  現   金    金額


 融資を受けた場合、借入金という負債が増え、現金という資産も増えますのでこうなります。

(借)  現   金   金額   (貸)  借 入 金     金額


 商店の店主が自腹で店の資金を用意した場合、こうなります。

(借)  現   金   金額   (貸)  資 本 金     金額


 商品を現金で仕入れた場合は仕入という費用が発生し、その支払いで現金という資産が減るのでこうなります。

(借)  仕   入   金額   (貸)  現   金    金額


 商品を現金で売った場合は売上という収益が発生し、現金という資産が増えますのでこうなります。


(借)  現   金   金額   (貸)  売   上    金額